2018年4月24日火曜日

アルコールポイント制によるブラックアウト現象回避のための初期評価

1. はじめに

 年齢が増加するごとにアルコールに弱くなることが知られている[1].年齢を重ねることで肝臓機能が低下し,若年時より少ない飲酒量で泥酔状態になる.脳が泥酔下に晒されると,ブラックアウト現象と呼ばれる記憶の欠落が発生する[2].アルコール成分から脳機能を保護することが目的であるが,記憶の欠如している期間は潜在意識での行動となるため,奇行や発言の非選択化が問題となる.

 筆者の先行研究においても,4年前と同程度の飲酒量で大幅に泥酔し,ベンチで寝ることによりリュックが盗まれることを明らかにした[3].また,2018年に入り,酒関連でインターネットには書けない重大事象も発生したことから肝機能の低下は予断を許さない状況となっている.

 しかし,飲酒中の節制は難しいことが明らかになっている.筆者はこれまでも「飲みすぎない宣言」による他者の忖度の誘導や,さほど親しくない人と飲酒機会を共にすることによる飲酒量の無意識下での調整を試みたが,いずれも失敗に終わっている.そのため,他人の力に頼らず自分の意志で飲酒量を制限することが重要となる.

本記事では,上述した課題を解決するためにアルコールポイント制(AP制)を提案し,導入に向けた初期評価を実施する.AP制においてはアルコールの種類により定量的に点数を設定し,より安全な飲酒環境を目指す.

2. アルコールポイント

 本記事では,提案手法であるAPについて,計算方法およびアルコールの重み付けについて示す.
 飲酒開始からの経過時間Tの際のAPを求める計算式を以下に示す.ここで,max(x, y)は2式を比較して大きい方の値を返す関数とし,Cは消費したAP,Zは摂取したノンアルコール飲料の杯数とする.

・・・(1)

 APは,初期値を3とし単位時間が経過する度に新たに3追加される0以上の整数とする.また,3単位時間経過以降は追加数が0となり,ノンアルコール飲料を1杯以上摂取することで3追加することができる.ここで ,ノンアルコール飲料は2杯以上飲んだ場合も追加料は均一で3とする.これらにより得られた値から消費分のポイントCを減算した結果が経過時間Tの際のAPとなる.

 Cは飲酒したアルコールの杯数に種類ごとの重み付けを掛けた値となる.現段階で企図している重み付けの例を表1に示す.

表1 アルコールの杯数に種類ごとの重み付け
品目ポイント
ビール・酎ハイ・ハイボール1
日本酒(お猪口)1
ウイスキー・ウォッカ・テキーラ(ショット)1.5
日本酒(1合)2
焼酎2
ウイスキー・ウォッカ・テキーラ(ショットより多い場合)2

 上記の値は筆者のヒューリスティックな経験則に基づき設定している.また,実際の飲酒機会においては上記の表に存在しない飲料の存在も想定されるが,その際にはアルコール度数や口当たりが最も近い飲料の値を用いる.

3. 初期評価

 本節では,上記で設定したAPを用いて実際に飲酒を行い,記憶の有無を検証することにより初期評価を行う.
 評価環境は,オタク4名を引き連れた2軒の居酒屋とする.1軒目としてはTwitterでオタクが良いと太鼓判を押していた海鮮系の居酒屋,2軒目としては日本国で1番うまいことが知られている串カツ屋[4]を設定する.
 初期評価を行った結果およびその1週間前に大事故を起こした際のAPを図1に示す.結果より,4時間の飲酒機会において記憶を残したままお開きを迎えることができ,さらに家に帰ることに成功した.飲酒量としても1週間前と比較して大幅に減らすことができており,本手法の有効性を示すことができた.

図1 2種類の飲み会でのAP残量の比較結果(本来はAPは0以上の値である必要があるが,比較のために適用前のAPは負の値も算出している)

 図1において,1時間以降のすべての範囲において適用後の方がより高い値となっているが,特に3時間以降のポイントの差が著しく生じている.これは,ノンアルコール飲料を飲まないとポイントが追加されないという仕様によるもので,適用前にはアルコール飲料しか摂取していなかったためこの段階から追加が行われなかったためである.このことにより,本制度を用いることによりノンアルコール飲料を注文するモチベーションも向上していることが確認できたと言える.

4. 終わりに

 本記事では,アルコールの過剰摂取による事故を防ぐためにアルコールポイント制を考案し,飲酒量を数値として管理することにより適正量に抑えることを目指した.また,実際に居酒屋で実施した初期評価により有効性を示した.今後,数値のより細かい設定や体調,アルコールの質といった他の要因の考慮についても検討し,人様に迷惑をかけない飲酒の徹底を目指す.

補足事項

 本記事は,4月より穀潰しから脱したことによる筆者の多忙さや,それと関連した記事執筆の不調(佐渡島散歩および引越しレポート記事のお蔵入り)による更新の停滞を回避するために執筆されたクソ記事である.

参考文献

[1]片山 素美, 山積 清隆, 紀 健二, 都留 正展, 深沢 俊男, 嶋田 裕之「加齢に伴う肝重量の推移」, 日本老年医学会雑誌, Print ISSN 0300-9173, 2009/11/24
[2]岩倉 信之, 米沢 宏, 世身 守行, 野口 義春「アルコール依存症者の飲酒による記憶喪失(ブラックアウト)に関する調査」, 病院・地域精神医学 = The Japanese journal of hospital and community psychiatry, ISSN 09104798, Issue 54, No.3, pp.245-246, 2012/03/31
[3]めで たい「いくら本厄だからってリュックと携帯が盗まれることはないんじゃないか」, めでブロ, https://medeblogdayo.blogspot.jp/2017/08/blog-post_20.html (2018/04/22アクセス)
[4]「大阪名物伝統の味|串カツ田中」, https://kushi-tanaka.com/ (2018/04/22アクセス)

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